刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)除去、アートメイク除去、イレズミを消したいと考えた時に、まず思いつく治療がレーザーではないでしょうか。レーザーによる刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)治療は、普段の生活に大きな支障がなく、傷跡も残しませんので、比較的選ばれやすい治療法です。
しかし回数がかかり、また最終的にどこまで消せるかは当ててみないとわからないのが実際のところです。
当院で扱うレーザー機器は従来から行われているヤグレーザーと最新レーザーのFotona社製PQXピコレーザーです。
ピコレーザーとは2015年頃に生まれ、各メーカーが製品化することで徐々に知名度をあげている新しい概念のレーザー装置です。このピコレーザーが刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)治療の限界を一歩進めたのです。今まで難しかったカラフルな刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)を薄くする、従来のレーザーで消しきれなかったものをさらに薄くする、最終的な照射回数を減らすといったことが可能なのです。
ピコレーザー治療、ヤグレーザー治療をもっとわかりやすく
PQX ピコレーザーを射つということは、レーザー光①の一つであるヤグレーザー②を、100億分の数秒というとんでもない短い時間、ピコ秒③で照射することで、治療の満足度を高める④ことです。
①レーザー光とは
その一つの波長だけの光を作り出せないかと考えた人がいました。そして1960年、一つの波長だけを強力に照射できる機械を世に作り出しました。この一つの波長のみの光をレーザー(‘放射誘導による光増幅’の頭文字をとってLASER)と呼んでいます。
※イメージです
②ヤグレーザーとは
1つのレーザー発信機で、あらゆる波長のレーザーが発射できれば便利でいいのですが、現在は存在しません。そこで皮膚表面の赤あざ、深い場所の黒い色素といった、その疾患の治療に適した丁度いい波長を出すレーザー機器が、個々に考え出されました。機械内部には光から固有の波長だけを取り出す媒体(フィルター)があり、その媒体物質に由来して、ダイレーザー、ルビーレーザー、ヤグレーザーなどと一般名として呼んでいるのです。
しかし同じ効果を目的としても、必ずしも治療法が一問一答でいかないのがこの手の治療、、院長の思考によって扱うレーザー機器が異なってくるのです。当院では経験と学会などからの情報から、痛み、扱いやすさ、ダウンタイムそして効果などを複合的に考え、ヤグレーザーがいちばんの優等生だと考えています。
③ピコ秒とは
治療の原理は同じでも、出力(ピークパワー)を上げながら、パルス幅を短くできたら、もっと治療効果が上がるのではということは、以前からわかっていた理論だそうです。しかし水鉄砲のレベルではありません。ダムに素早く水を貯め一瞬で放水するようなもので、安定的に連続してハイパワーを超短パルスで発射できる技術が構築できず、なかなか製品化されませんでした。
そんな中、2015年頃に実用化に成功、以後各メーカの努力で徐々にピコレーザーは普及してきました。当時の学会では「100年に一度に匹敵するレーザー界の大革新」と賞賛されていたことをよく覚えています。
④満足度を高める
また超短時間の照射は、熱による肌への負担を軽減し、深くても効率よくターゲットを粉砕することで、炎症性紅斑や炎症性色素沈着などのトラブルの少ない治療を実現できます。
最新のピコレーザーとして
ピコレーザーと称される分野が存在感を増してきた昨今、はじめは傍観者のように思えたフォトナ社も、ヨーロッパで養われた高い技術力を集結させ、ピコレーザーの最新機器 PQX Pico Laserをリリースしたのです。そして日本の薬事承認を取得し、2021年3月に国内保険治療の適応も認可された、現在もっとも新しいピコレーザーです。
基本機能を充実させ、他社にはマネできないハイスペックな性能で治療効果を追求したものとなっています。そんなFotona社の考えを、スタイリッシュなユーロピアンデザインのフォルムが物語っているような気がします。
Fotona社製 PQXピコレーザーのここがすごい
特長1 超短パルス幅と高いピークパワー
超短パルス幅とは、光を発する時間が数ピコ秒間ととても短い時間という意味で、ピコレーザーの名前の由縁です。そして照射時間を短くしたのならピークパワーを上げることで、作用させるエネルギー総量を維持する必要があります。ということで、結局のところどのメーカーも‘超短パルス幅と高いピークパワー’といった同じようなうたい文句になってくるのだと思います。
そこでPQXピコレーザーですが、実はそれらの数値が他のピコレーザーの中で一番優れているというのです。これはより細かい粒子をも破壊でき、また炎症後色素沈着や赤みといった副作用の軽減にもつながることを意味します。
特長2 肌トラブルが少ない
中心パワーが高くその周囲は弱いガウシアンビームはカットをするような場面ではいいのですが、面に均一に作用させるためには不向きです。
そこで特殊なフィルムを通すことで、照射範囲に均一なパワーがいきわたるトップハット型ビームを採用しています。ターゲットへのムラのない作用は、創傷治癒の促進、かつ色素沈着や色素脱失、瘢痕などのトラブルの軽減が期待されます。
特長3 より細かいターゲットを狙う
この熱作用と同時に働く音響作用は、光熱作用に頼っていた従来のレーザーに比べ、より細かいターゲットに威力を発揮し、今までのレーザーでは難しかったカラフルな刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)、従来のレーザーで薄くはなったが残存する刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)の除去、薄いしみへの効果も期待されています。
特長4 あてもれ、重ねうちが少ない
数ミリの四角いスポットで照射ができるPQX ピコレーザーは、今まで当たり前であった不都合を、見事に解決しています。
シミや刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)など、ほとんどのターゲットではその周囲がカーブした状態です。今までは、中を含めてこのカーブも確実に当てようと、重ね射ちをしても仕方ないレベルのギリギリを狙った照射をしていました。今後もギリギリを狙うのですが、四角いスポットならその精度は飛躍的に上がります。あてもれはもちろん、周りの正常皮膚への不必要なダメージも減らせ、炎症性色素斑を軽減していきます。
- 施術時間は長い?・・・・名刺サイズ(約50cm2)で5分前後です。
- お風呂は入れるかな?・・翌朝より大丈夫です。
- 通院は必要なの?・・・・通院は特に必要ありません。
- 処置が必要なの?・・・・お渡しする軟膏をシャワー後などに3日間ほど塗ってください。その後かさつくようでしたら保湿クリームを塗ります。
次回照射が3ヶ月以上あけたらいつでもいいなら、逆に自分のタイミングで受けることができるんですね。先々のイベントがある中で、そんなに綿密なスケジュールの必要がないのは気が楽です。
いたずら程度に墨汁で入れたものは比較的キレイに消えます。ぼかした入れ方もよく消えます。逆に皮膚が膨らむほどに重ね入れしたもの、黒以外のカラフルな色などは薄くなってもどこかで反応しなくなるという限界があるかもしれません。
費用は照射範囲が少なくなれば安くなりますので、一部なくなるだけでもかなり軽減してくる場合があります。大きな刺青(タトゥー・イレズミ・入れ墨)では、レーザーで消えるところはとことん消して、残ったところは切除を考えるのもいいかもしれません。
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治療中に2院を行き来することも可能です。
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