一度で切除できない幅のある刺青(イレズミ)や、傷の長さを少しでも短くしたい場合場合によい方法です。
傷が癒えるまでの一定期間(4~6ヶ月)をあけて、2回、3回と分けて切除していきます。
ポイントは、2回目になるべく効率よく切除できるように考えて、1回目の切除範囲を決めることです。
例えば縫合後の残った刺青(イレズミ)がなるべく近くに集まるようにして次回の切除が容易になるようにします。また最終回に皮膚に余裕を持たせて縫うと、傷がきれいに仕上がるため、その前段階ではきつく引っ張るように縫い合わせ、最終回で整容面も考慮した縫合をしていきます。
分割切除にすると、比較的傷の向きを自由にできますので、例えば服に隠れるような傷にする、リストカットのように見えないように工夫する、手術や怪我のようなカモフラージュさせた傷跡にするなど、整容面を考慮した傷跡にすることが容易です。
同一方向に段階的に切除縫縮する場合は最終的に1本の傷になります。


刺青(イレズミ)のデザインによっては縫い縮める方向をかえることで、ムリなく切除できる場合があります。
皮ふは伸ばされることで血流が一時的に乏しくなりますので、この状況で違う方向にさらに縫い縮めると、皮ふ壊死というトラブルを招く恐れがあります。
そのため、数回に分けて切除してトラブルを予防していきます。
最終的な傷跡はデザインによってかわってきます。


気になるポイント
- 施術時間は長い?・・・・名刺サイズ(約50cm2)で40分前後です。
- お風呂は入れるかな?・・翌日よりシャワーは可能です。入浴は抜糸翌日から可能です。
- 通院は必要なの?・・・・翌日の経過観察と抜糸日の2回通院が必要です。
- 処置が必要なの?・・・・お渡しする軟膏をシャワー後などに抜糸の日まで塗るようにしてください。抜糸後は傷痕が広がらないようにテープ固定を2ヶ月ほど続けてください。
施術面積を測る
必ず切り取るべき皮ふ面積(色のある、ないは問わない)を測ります。
傷をきれいに仕上げるために切り取る正常皮膚部分や、皮弁術を行う際の補助切開は面積に加えません。
(例1)
切除の場合、デザインに沿って正常の皮膚も一緒に必ず切り取りますので、基本的には四角形で計算します。
(縦)×(横)で計算します。
4×4=16cm²となります。

(例2)
(縦)×(横)で計算します。
4.5×5=22.5cm²となります。


1回で切り取ろうと思うと大きな傷になりそうだけど、これなら傷の大きさが小さくすみそうだわ。でも、毎回面積を測り直していると料金を2重取りされているみたいで、イヤなんだけど、ホントのところどうなんですか?

料金は面積によって算定されますが、この最初の面積で計算した料金以外は、手術回数が何度かかっても、追加の料金は発生しませんので、ご安心ください。
また、実際にはきれいに仕上げるためここで測った面積の1.5〜3倍の面積を切り取りますが、費用計算に利用する面積はあくまでも最小切除範囲という便宜上の面積を採用しているため、どんな切除デザインを医師が考えても費用には影響しません。 これでおよその面積が測れたと思います。 次は、この面積をもとに、実際の施術費用を計算しましょう。